参議院選挙の争点隠しーー改憲勢力の現実化ーー「支持政党なし」の意義

 7月11日月曜日に選挙結果が確定した。各新聞の見出しには、「改憲勢力が三分の二以上」という文言が躍った。しかし、マス・メディア各社は、投票日前の争点として、アベノミックスを挙げていた。変質漢と言われても仕方がない。商業新聞であり、各社とも銭のために記事をまとめているのは、明らかだ。なぜ、改憲を争点しなかったといわれて、それは自民党の戦略だったと弁明している。しかし、その戦略を肯定したのは、マス・メディア各社である。争点隠しは、マス・メディアの行為であった。憲法改正が今回の争点であるとみなして、小林節・慶應義塾大学名誉教授が、新政党を創立した。もっとも、この政党は泡沫扱いであった。泡沫扱いしのは、マス・メディア各社であった。もし、この争点が争点として喧伝されていれば、少なくとも泡沫扱いはされなかった。もっとも、政権党が争点を設定する。これは、政治学のイロハである。

 アベノミクス自体も問題が多い。年金基金を日本の株式市場に投入している。いつ、この株式を売却できるのか。売却すれば、株式市場は暴落する。株式市場を毀損する行為をいつ実施するのであろうか。また、現在の評価額でも数兆円の損失を計上している。このような馬鹿げた政策に対する批判は、少なくとも選挙報道の主潮流にはならなかった。

 また、政府、日銀を挙げて円安を誘導している。かつて戦前において、同様な行為をした政府は、右翼の憤慨の対象になった。「円売り、ドル買い」という政策自体が「売国奴」であった。もちろん、円安にも利点がある。しかし、その欠陥も報道すべきである。100円ショップは、「200円ショップ」、「150円ショップ」に事実上衣替えしている。国民の生活を毀損している。過度の円安誘導政策は、国民生活に危害を与える。

 このような状況で、一定の支持を集めたのが、政党「支持政党なし」、略称「支持なし」であった。60万票以上を集めている。100万票で一人の国会議員が生まれている。あとひと踏ん張りであった。
 この政党の公約はなかった。院内における国会議員による投票行動は、その都度、党員による事前のインターネット投票によって決定するとされていた。おそらく、ここで本人確認がなされているのであろう。国民全体ではなく、限られた党員による意思決定がここで肝要になる。

 既存政党は公約破棄が常態化している。TPP断固反対を公約にしていた自民党が、選挙後TPP推進にまわったことことは、記憶されてよい。選挙公約を破棄したことは、議会内の討論過程で生じたと弁明されれば、選挙民はどうしようもない。公約を掲げなければ、公約違反は零である。公約違反の無い政党は、近代史上皆無である。
 この政党は、ドイツの海賊党(Piratenpartei)と類似しているのかもしれない。直接民主主義の意義を現代の間接民主主義の体制下において実現しようとしている。少なくとも、間接民主主義と民主主義一般の間には、大きな差異がある。この意義を選挙運動において顕揚した意義は、称賛されるべきであろう。少なくとも、議会制民主主義そして政党政治のいかがわしさを国民意識に問うという効果はあった。

 選挙結果に関する討論会を実施する。1500字以上、2000字以内のコメントを貼り付ける。1500字未満のコメントは削除する。なお、この字数計算は、原稿用紙換算方式に基づいている。PCによる字数計算によれば、1000字以上、1500字以内である。コメントの期限は7月19日火曜日24時である。もちろん、若い人は、初めて選挙に行った経験を踏まえて結構である。棄権した人は、その理由と今回の結果を踏まえてもよい。

2016年7月20日

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