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森永卓郎の逝去に関する同時代人の感慨ーー睡眠に関する認識

森永卓郎の逝去に関する同時代人の感慨ーー睡眠に関する認識

 

 森永卓郎が逝去した。202312月に癌のステージ4にあることを公表してから約1年後であった。この間、精力的にこれまでの仕事をこなし、癌治療の経過を公表していた。病状公開以後に、『書いてはいけない――日本経済墜落の真相』(フォレスト出版、20243月)を出版した。また、それ以後も、これまでの主張をラジオで繰り返す一方、死の直前まで執筆活動を続けていた。そして、おそらく、遺著、『発言禁止 誰も書かなかったメディアの闇』(実業之日本社 、20252)を完成させていたのであろう。また、ステージ4を公表して以降、その進行状況を公表しており、毎日、彼の病状がヤフーニュース等で取り上げられていた。多くの人が、彼の病状に関心をもっていたのであろう。

 私も、ほぼ彼と同年代である。彼と同様に、昭和30年代前半に生を受けている。彼の病状は、他人事とは思えない。この世代の多くは、65歳を超えており、年金受給者である。身体活動に幾つかの点に不調を抱えており、数種類の薬剤を定期的に摂取している人も少なくない。健康維持の点で問題のある人のほうが、むしろ多数派であろう。

 まず、彼の逝去で興味深い点は、彼の健康維持に関する疑問である。とりわけ、彼には、睡眠に関する基礎知識が欠けていた。完徹つまり24時間以上、睡眠をとらないで仕事をしたことが、誇らしげに語られていた。健常者でも、睡眠を8時間前後取らないと身体活動は衰弱する。癌患者がこのような身体に打撃を与えることを実践していたのであれば、癌の進行をますます促進したことは、疑問の余地がない。むしろ、健常者よりも数時間、余計に睡眠をとる必要があった。

 通常の病人は、病院でほぼ一日中、寝て過ごしている。もちろん、運動療法も必要であろう。しかし、健常者の睡眠時間が8時間であれば、10時間以上、睡眠時間を確保する必要がある。そのために、試行錯誤している。幸い、この世代の多くは年金生活者であるので、通勤時間の往復23時間を睡眠時間とすることも可能である。10時間寝るために、22時に就寝することにした。起床時間は8時である。理論上は、10時間睡眠が可能になる。そのためには、21時30分前後には、仕事を停止しなければならない。

 以前、試行錯誤を実践するために、20時に就寝することもあった、朝、6時に起床することになる。しかし、夕食後、すぐさま就寝することになり、身体不調になってしまった。また、家族とのあまりにかけ離れた生活パターンによって、私の睡眠が妨害されることにもなった。また、20時に就寝するために、ビールを飲んでいたが、24時ころ、目が覚めてしまい、もう一本、追加することにもなった。身体の消耗度が増進した。

 それゆえ、家族とほぼ同じ生活パターンを実践することにした。数年前は、私が24時前後に就寝することが多かったが、朝8時まで床にあることは不可能であった。通常の健常者の起床時間は、7時前後である。私の睡眠が妨害された。それゆえ、22時就寝が、現在の私の体調、家族の生活パターンから最良であると思える。

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