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宮廷大、地帝国、地底国というインターネット造語

1. 宮廷大、地帝国、地底国というインターネット造語

  インターネットが社会に普及してほぼ30年になる。この仮想空間において興味深い造語が生まれた。宮廷大(旧帝大)、地帝国(地方旧帝国大学)そして地底国(地方底辺国立大学)なる造語である。宮廷大のなかでも、地方にある旧帝国大学と本州中央部に位置する旧帝国大学は区別されている。また、同じ発音でも、地帝国と地底国は区別されている。地底国は、大宅壮一によって命名された駅弁大学とほぼ同じかもしれない。但し、戦後直後と異なり、鉄道の社会的役割は、かなり減少している。また、駅弁という概念も、平成生まれの学生にとってほぼ疎遠である。若者にとって、駅弁とは駅で購入するのではなく、デパート地下で購入する弁当にすぎない。地底国のほうが、よりその本質を明瞭にしている。

 とくに、地底国教授は、地帝国出身者が多い。たとえば、北海道を例にとれば、北大以外の地方単科大学つまり地底国の教授は、北大出身者によってほぼ占められている。もちろん、地帝国たる北大教授は、北大あるいは宮廷大出身者にほぼ限定されている。

 宮廷大教授が国家公務員総合職を養成するとすれば、地底国教授は、地方公務員養成を主眼としている。しかも、都道府県職員ではない。市町村職員である。後者は数百万人ほど存在している。膨大な数である。

  地底国教授の使命は、財務省高官を養成することではない。国際的な学術会議で、脚光を浴びる研究を公表することでもない。事務次官を頂点にする官僚機構と、現実社会の接点に立つ労働者を養成することにある。つまり市町村の窓口労働者を養成することにある。彼らが優秀であることが、日本の社会の常識を高めることにつながる。たとえば、厚生労働省の事務次官がいかに優秀な政策を立案したとしても、その窓口職員が優秀でなければ、どのような社会福祉政策であれ、絵に描いた餅になる。

  戦前の用語を使用するならば、宮廷大が官吏を養成することを目標にしているとするならば、地底国は待遇官吏あるいは市町村吏員を養成しようとする。彼らが、地域の政策を領導し、日本人の常識を形成している。地底国が、彼らに対する教育の一環を担っている。その事情は、戦前も戦後も同様である。

  このヒエラルヒー的構造のどこかに我々は位置している。

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