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「前例主義」、「横並び主義」、「新しい仕事をしない主義」そして「先送り主義」という馬鹿

公務員組織、大企業、大組合等の大組織が陥るのが、」前例主義」、「横並び主義」、「新しい仕事をしない主義」そして「先送り主義」という病気である。

1、「前例主義」とは、前例のないことをするな、という意識である。前例を否定することは、前任者の瑕疵をあげつらうことになるからである。前任者の欠陥を是正することは、その顔をつぶすことにつながるからである。その前任者は現在の上司であることが多い。上司の意向に反して仕事をすることが嫌われる。

2、「横並び主義」とは、他の部署、他の組織が実施していない仕事をしないことである。民間企業であれば、他の企業がしないこと、たとえば画期的な新製品を提案することは、表彰される。しかし、停滞している組織において、そのようなことをすることは危険があるとの理由で却下される。もちろん、新企画は失敗する可能性もある。しかし、そのようなリスクが、ほとんどない場合が大半であっても、ごくわずかの可能性を見つけてその新企画をつぶすことが快感になっている場合が多い。

3、「新しい仕事をしない主義」とは、組織の当該部署に割り振られた仕事が多いことに由来する。新しい仕事をしても、古い仕事が減るわけではない。自分の仕事が増えるだけである。活気のある組織では、自分で新しい仕事を見つけることが本来のしごとである。与えられた仕事だけをしている人間は、使えない人間とみなされる。しかし、公務員組織において、

4、「先送り主義」とは、決定をキャリア官僚とみなされる高級公務員に特有な病気である。彼らは、3-4年の間隔で多くの部署をわたり歩く。したがって、その任期の間にできることしかしない。あるいは、重要な問題を次の任にあたる後輩に委ねる。その後輩もまた、次々に次の任期のキャリア官僚に大きな問題を委ねる。大きな問題は、その解決のためにかなりのエネルギーを必要とする課題である。その組織外の他の組織との折衝を要したり、組織内の問題であっても他の多くの部署との折衝を要する仕事である。そのような大事な仕事よりも、日常的な仕事に没頭する。しかし、いつの日かその仕事の期限がやってくる。その時には、手遅れになっている。

 「前例主義」、「横並び主義」、「新しい仕事をしない主義」そして「先送り主義」という「公務員組織、大企業、大組合等の大組織」の病理は、そこで仕事をする人間をスポイルする。やがて、自分の部署だけ良ければよいという病気が社会全体に蔓延するとき、社会が壊死する。しかし、このような「前例主義」、「横並び主義」、「新しい仕事をしない主義」そして「先送り主義」を組織から追放すべきである。少なくとも、新企画を破壊することの原理として禁止すべきである。しかし、多くの組織はこの病気に陥る。そして、問題が起きても、誰も責任をとらない。

http://izl.moe-nifty.com/tamura/2018/11/post-d1a4.html

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