ベルリン旅行者(五)ーー煙草という幸福追求権
20170805、20181105
ベルリン旅行つまり西欧に旅行する楽しみの一つは、日本で購入できない品物を購入することにある。とりわけ、関税がかかる商品、酒、タバコ等が、それにあたる。
ところで、西欧では現在、煙草のパッケージにグロテスクな写真をはりつけ、その購入意欲を阻害している。ドイツだけではない。フランスでもそうである。おそらく、EC加入国家のすべてがそうであろう。しかし、自動車は人間を殺し、障害者にする可能性を持っている。自動車の車体に、ひき殺された人間の写真をはるべきでろあう。
いずれにしろ、あのグロテスクな写真を貼った煙草を購入しようとはおもわない。今後は、馬鹿げた規則を設定したEC以外の国々を訪問あるいはその国の空港をトランジット空港にしよう。
2016年10月
この時期には、このグロテスクな形態が法制化されていた。しかし、フランクフルト・アム・マインの免税店には、まだ在庫があった。馬鹿な私は、2017年3月に、フランクフルト・アム・マインではなく、パリ経由で帰国することにした。パリでは、もっと悲惨になっていた。ドイツでは、かろうじて煙草のパッケイジの一部がのこっていたが、フランスでは統一パッケイジであった。ここでも、購入することはできなかった。馬鹿な選択肢であった。この変換は、欧州共同体の決定に基づいてる。喫煙者という少数者の幸福追求権は、多数者の完全性の追求つまり健康な身体を維持するというパラノイヤによって侵害されている。
20181105
欧州もまた、米国の清教徒主義に汚染されているように思える。しかし、清教徒は、ルターの宗教改革に根をもっている。その意味で、欧州の禁煙思想もまた、米国と同根かもしれない。
| 固定リンク
「ベルリン」カテゴリの記事
- 『函館新聞』(2017年12月01日)掲載ーードイツ連邦議会選挙(2017.12.01)
- AfDの躍進と難民政策――2017年のドイツ連邦議会選挙に関する政治思想的考察(その1)(2017.11.24)
- ベルリン旅行者(11)ーー生活習慣の差異(2018.11.11)
- ベルリン旅行者(十)ーー公共交通つまり鉄道、歩行そして飛行機(2018.11.10)
- ベルリン旅行者(九)ーー関係性と街の変化ーー原点は消滅している(2018.11.09)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント