ベルリン旅行者(十)ーー公共交通つまり鉄道、歩行そして飛行機
20170810、20181110
日本の鉄道、とりわけ新幹線は気候変動を別にすれば、ほとんど遅延することはない。しかし、欧州の特急列車は遅延することがままある。欧州の優等列車の多くが、国境をこえて運行されているためでもある。しばしば利用するローストック発ベルリン経由、スイスバーゼル行きの列車などは、短いほうかもしれない。
10分、20分遅れなどアナウンスを聞いてから、駅のホームを移動すればよいであろう。とりわけ、ライプチヒ中央駅などの行き止まり式の場合、ホームがころころ変化する。大慌てに行く必要はない。乗り継ぎの列車に間に合わないことはない。待ってくれている。しかも、ドイツ鉄道に遅延の原因がある場合、たとえ乗継列車に乗れなくても、切符は有効である。問題は割引チケットの場合である。できれば、割引料金ではなく正規料金(ノルマールプライス)のほうが、自己都合で遅れても、後続列車に乗車できる。ちなみに、鉄道料金は2日前に購入するとかなり安くなる。バーゼル・ベルリン間の一等車の正規料金は、250E、二等車は150Eであるが、2日前では、150E~160Eと二等車並みの料金になる。備忘録として記しておきたい。一等車では、様々なサービスがある。食事も食堂車に行かなくとも座席でとることができる。新聞も読み放題である。トイレ等も比較的綺麗である。
2015年9月27日にハレからライプチヒ経由で、ベルリンに行こうとした場合、いそいで乗継特急列車にのろうとして、すでに発車していた列車に乗ろうとした。もちろん、駅員に警告された。「危ない」。当然であろう。乗継列車がすぐに発車することはない。この乗継は、ドイツ鉄道の正規の情報ーーつまり切符を購入するときに、切符販売員が指示した切符に基づいている。堂々とすべきであった。
また、ドイツでは、動力化されていない個人交通、つまり徒歩、自転車走行への配慮が行き届いている。自転車道が整備されている。この自転車道は、歩道を削って設置された場合が多い。歩道と自転車道は近接している。ボーっとしていると、かなり危険である。40キロ前後で走行している場合もおおい。
最後に、飛行機搭乗に関して述べてみよう。搭乗手続きは航空会社、ドイツでは主としてルフトハンザが代行している場合が多い。当然のことながら、エコノミーとビジネスは分離されている。しかし、ドイツ警察によって運営されいる手荷物検査の終了時間が迫ると、それも無視される。しかし、多くの日本人はエコノミーの窓口に並んでいる。しかし、東欧人等はそれを無視して手荷物検査を受ける。馬鹿正直に並んだ日本人が、手荷物検査に間に合わなかった。クレイムを言っていたが、後の祭りであろう。ドイツ警察は、乗客の不便等には関心がない。荷物検査だけを担当している。
手荷物検査では、日本とことなり電子辞書もコンピューター扱いされる。鞄からそれを抜き出さねばならない。それを忘れて、ひどい目にあった。しかも、ドイツ語で皮肉をいったので、危うく別室に連行されそうになった。素晴らしい仕事ですね、と言った記憶がある。明らかに皮肉であり、検査官が激怒した。ドイツ語がよくわからないといって、難を逃れたが、冷や汗ものであった。つくづく、ドイツの治安維持は、日本と異なり厳格にならざるを得ないとおもった。移民政策の副産物である。メルケルが産業界の意向にしたがって、安価な労働力を海外に依存しようとした。もちろん、下層市民は反対した。AFDの躍進の原動力そしてキリスト教民主同盟の没落につながった。
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