20040128 「北海道新幹線・新函館駅建設と、北海道の地域社会の衰退」『毎日新聞』(全道版)
2015年からみれば、11年前の論考である。執筆者も45歳と若い。肩書も助教授である。この肩書は当時気に入っていた。少壮助教授という触れ込みで、新聞各社を訪問した。唯一、『毎日新聞』だけが、このかなり危ない記事を掲載してくれた。この記事を書いたあと、函館市役所の職員が二人研究室に説明にきた。彼らは、誤解していた。特急・北斗号は現 函館駅まで来るの、寝台列車はそのままだと、散々寝言を言って帰った。私の想定は、あくまでも札幌まで北海道新幹線が全通した場合を想定している。現 函館駅には、二両編成の列車しか来ないことを説明しても、このような寝言を言っていた。案の定、地方自治体の審議会等の委員から除外された。それくらいの不利益は覚悟していた。
市町村の地方公務員は、せいぜい数年後のことしか考えていない。30年後のことは、想定外だ。その時には、年金生活者になっているからだ。このような短時間的視野しか持っていない。道庁、県庁の職員は、より視野が広い。上級職・国家公務員は、日本の屋台骨を背負っているという自負がある。ただ、彼らととの接点がほとんどない。彼らは多忙であり、地方国立大学の教授と話をする時間がない。まして、何も権限のない文部科学省の末端役人である。地方採用の末端公務員と、キャリア公務員と対等であるはずがない。
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