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「政治と金」と国策判断ーー日本会議と大臣の辞任

 20141220 「政治と金」と国策判断ーー日本会議と大臣の辞任

「政治と金」という問題は誰もが否定できない事実である。しかし、政治家、とりわけ大臣クラスの日本の国策に影響力を行使する政治家に対するこの問題は、それほど単純ではない。第二次安倍改造内閣における政治的動向を判断する媒介項として、日本会議の政策が重要であろう。「改造内閣で日本会議議連に所属していないのは太田国交相、小渕経産相、松島法相、西川農相の4人。もっとも、西川農相と二階総務会長は「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」には名を連ねている。どちらにも所属していないのは、公明党の太田国交相はまぁ当然として、小渕経産相と松島法相だけということになる」。(「閣僚中15人がメンバー 最大右翼組織「日本会議」の危険度 」『日刊ゲンダイ』2014年9月6日、http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/153143/2 19)
そして、この二人の大臣だけが、第二次安倍改造内閣において辞任を要求された。「政治と金」という問題を指摘されたからだ。この「政治と金」という問題は、後期近代の日本政治史において要所に浮上してきた。その最大の犠牲者は田中角栄である。また、最近ではその田中派に所属していた橋本龍太郎総理、そして小沢一郎が有名である。この3人の政治家に共通していることは、日本における社会国家を創造しようとした点にある。この点に関して、「政治と金」という問題が突き付けられた。重要な点は「政治と金」の問題にはない。むしろ、彼らが形成しようとした社会国家の内実である。
 戦後日本政治史において最大の貢献をしたのは、田中角栄であることは疑いもない。もちろん、その政策において功罪半ばであることは事実である。彼が高速道路網を日本全国に敷設したことによって地方破壊が進んだ。その意図は地方の発展であったが、結果は無残な日本列島を寸断するコンクリート網を形成したにすぎない。
 にもかかわらず、外交史における功績は否定しようがない。当時の他の政治家、例えば福田赳夫は日中国交回復に反対した。このような旧習に拘った政治家と対照的に、田中角栄は日中国交回復という偉業を達成した。
 にもかかわらず、福田赳夫は「クリーン」な政治家であり、田中角栄はそうではない。後者は元総理にもかかわらず、入獄という辱めを受けた。そろそろ、「政治と金」という問題から、日本政治は卒業すべきであろう。政治家はその政治的功績だけから判断すべきであろう。そして、この問題が提起された背景には、戦後アメリカ政治、そして世界的な金融資本の動向が関連している。その動向を無視して、「政治と金」だけで判断することは、政治という本質を見逃すことになる。二人の女性大臣が、日本会議という政策集団と無縁であったことは、偶然ではないであろう。
 

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