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高齢ニート(=ヒッキー)の優雅な生活(その四)――自炊するヒッキーは、化学調味料も摂取する。煙草も吸う。但し、自然食を理想とする。

20140725 高齢ニート(=ヒッキー)の優雅な生活(その四)――自炊するヒッキーは、化学調味料も摂取する。煙草も吸う。但し、自然食を理想とする。

 安藤君(仮名、推定年齢45歳)は自炊する。多くの同時代の労働者が満員電車に揺られて、会社で働いている時間を、彼は人間の基本的営みに費やす。掃除をし、洗濯もする。家族の分もまとめてする。夜は家族と共にするが、朝昼兼用の食事は自分で作る。彼の料理は、自然食にだけに依存している。しかし、両親とくに母親は化学調味料をたっぷり使う。それが気に入らないが、子供の頃からの習慣で我慢して食う。自分の理想が実現されないことは、彼の人生のなかで珍しいものではない。正義は負けるという人生哲学を持っている。

 但し、11時過ぎにとる昼食は、彼の哲学に従って調理される。一人で飯を炊き、一人で食う。その中にも喜怒哀楽はある。玄米、大麦、小豆が入った雑穀米だ。米はさすがに普通の白米である。両親が購入している。雑穀もまた両親が購入しているか、自分で購入しているか不明である。  野菜と茸類は、自分で育成している。新鮮でかつ無農薬である。美味い。彼の料理時間は30分ほどである。いつも、味噌汁と野菜サラダだけである。サラダもドレッシング等の工業製品なしである。たまに、醤油をつけるだけである。  このような理想的食生活を昼間楽しむ。腹いっぱい食べる。夕食は工業製品たっぷりである。あまり食べないそうである。飯は昼炊いたものを食する。それだけは、家族とは別である。自分の炊飯器を持っている。

 理想は部分的に実現される。しかし、彼は家族に自分の思想を強制しない。禁煙論者がその思想を伝道しようとすることに比べれば、彼の態度は自分の世界だけで完結している。禁煙思想を神格化している馬鹿ではない。敷地内禁煙を推進してきた馬鹿教授とは、明確に区別される。  

 彼は煙草を吸う。煙草は工業製品である。しかし、人類の理想を実現した物として崇拝している。もちろん、一日一箱程度であり、それにこだわっていない。もっぱら、無添加の「チェ・ゲバラ」を愛飲している。  

 このように、彼は人類の歴史的成果を否定していない。安藤君も後期近代に生まれたことを自覚している。自己の思想の源泉をこの時代に求めているからだ。しかし、その悪弊に染まらないだけである。彼の思想は、どのようにして形成されたのだろうか。それは、マルクス、エンゲルスに匹敵するかもしれない。彼の思想形成過程は、学術的論文の対象になるかもしれない。もっとも、その論文の学会での評価は、無に等しいであろうが。

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