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ドイツのサッカーワールドカップ優勝――サッカー協会におけるドイツ官僚制の優秀性と日本官僚制の馬鹿性

20140714 ドイツのサッカーワールドカップ優勝――サッカー協会におけるドイツ官僚制の優秀性と日本官僚制の馬鹿性  

 本日2014年7月14日、ドイツ連邦共和国代表がサッカーワールドカップで優勝した。これは、ドイツのサッカー協会――民間組織ではあるが、官僚化している――の勝利であると同時に、ドイツの官僚機構総体の勝利である。  

 本年は、1989年のベルリンの壁崩壊以後25周年というドイツ史における記念すべき年である。4分の1世紀が経過した。ドイツ語の日常用語において4分の1、2(半分)、4分の3という区切りは、日本人が考えられないほど意識下に刻印されている。日常会話において「8時が4分の1きた」といいう言い方がされる。7時15分のことである。

 ちなみに、20世紀最大の世界史的事件は、1989年のベルリンの壁の崩壊である。この事件によって、旧東欧社会主義国家が崩壊し、旧ソ連邦も崩壊した。それだけでは政治史の事柄にすぎないかもしれない。しかし、この政治史的事柄は、社会主義と共産主義という思想に対して、最後通牒を与えた。初期近代から残存していた社会の根源的変革という思想が、その命脈を絶った。

 本年は、この記念すべき年から25年である。この年に開催されるサッカーワールドカップで優勝することは、ドイツサッカー協会だけではなく、ドイツ国家の悲願であった。この年のために、少なくとも10年前から準備がなされたのであろう。10年後を見据えた布石が打たれた。少なくとも、監督レーヴは、ヘッドコーチを入れると10年間、代表チームの責任者であった。  10年後の本日、ドイツは優勝した。それは10年前に、すでに予定されていた。もちろん、優勝という事象には偶然的要素もあったとしても・・・。ここでは、もはや旧東独と旧西独の統一チームという概念すら問題にならない。代表選手のなかで、旧東独あるいは旧西独出身という区別はない。あったとしても、それは彼らが幼児の時の記憶でしかない。もはやその区別が消えた。まさに、統一直後のトラウマは消滅した。その表現が夏のドイツのサッカーワールドカップ優勝と冬のドイツ統一記念祝賀行事である。 本年でもって、統一問題、とりわけ旧東独問題に終止符が打たれる。

 それに対して、日本のサッカー協会は4年後のことしか考えていない。報道によれば、元メキシコ監督が一族郎党を引き連れて、来日するそうである。4年後また、新しい監督とヘッドコーチ、そして一族郎党が招請されるのであろう。そして、また8年後も。この繰り返しでは、組織力を誇るドイツサッカー協会に敗北するであろう。組織性は試合の戦術の問題だけではない。サッカー協会の問題であり、日本の官僚機構の問題である。 近視眼的な日本官僚制と、少なくとも10年後のことを考えて行為するドイツ官僚制の違いがある。4年後のことだけを考えて監督人事を考察している日本サッカー協会は、また4年後に同じことを繰り返すであろう。少なくとも、日本の優勝は100パーセントありえない。本田選手等の現場の選手の奮闘だけに基づく優勝という標語は、荒唐無稽である。竹槍でB29を撃ち落とすという標語とほぼ同義である。

 「メルケル首相とガウク大統領の同一のドイツ飛行機でのブラジル旅行」も 国家的リスク管理の観点からすれば、大いに問題があったかもしれない。そんなことは、ドイツ官僚機構は承知している。しかし、ドイツ国家の悲願という観点すれば、この勇み足も理解可能である。  

 

「ドイツ:「2トップ」W杯観戦へ…同じ飛行機、問題あり?」

『毎日新聞』20140712日 2122分(最終更新 0712日 2323分)

/mainichi.jp/select/news/20140713k0000m030054000c.html

 

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