因果関係という錯誤――鼻血と放射能の無関係の証明
承前
鼻血と放射能との科学的因果関係を証明できないがゆえに、『美味しんぼ』の記述は風評被害を招くとのことである。しかし、鼻血と放射能が無関係であるという証明もまた不可能である。鼻の粘膜に放射能を当てても、鼻血はでないのであろうか。
福島県双葉郡双葉町では、山田地区において2011年3月12日に、 32.47μSv/H(平時の約720倍)という恐ろしい量の放射能が観測された。[1] ここでは、平時の700倍以上の放射性物質が空中に漂い、それを鼻から吸引したはずである。もちろん、枝野官房長官が主張するように、「すぐには健康被害が出ることはない」。その後、この後遺症として、双葉町元町長の鼻の粘膜が破壊され、鼻血という症状を呈したかもしれない。この命題を現代科学は否定するのであろうか。
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