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誰が議論し、決定するのか――北海道新幹線新駅「新函館北斗駅」名称決定過程における、函館市(新函館)と北斗市(北斗函館)――隠された決定主体としてのJR東日本

20110611 誰が議論し、決定するのか――北海道新幹線新駅「新函館北斗駅」名称決定過程における、函館市(新函館)と北斗市(北斗函館)――隠された決定主体としてのJR東日本

 

 ある事柄を決定する際に、決定に参加する人間を制限することによって、異なる結果をもたらす。決定者は誰であるか、という問題を抜きにする議論は、砂上の楼閣にならざるをえない。

 今回、この駅名称を決定する過程の第一段階において出現したのは、函館市と北斗市である。函館市は、この数十年使用されてきた「新函館」を主張し、北斗市は駅舎の存在位置を考慮した「北斗函館」を主張した。もちろん、この主張は平行線をたどり、JR北海道が決定を下すことになった。しかし、この会社は決定をすることを忌避した。実質的決定を北海道に依存した。北海道が、函館市と北斗市が共に属している都道府県だった。北海道は、両市に対して影響力を行使した。

 

 JR北海道は、その駅名すら決定する能力に欠けていた。それは、鉄道会社としての社会的責任を放棄し、当事者能力の欠如を天下に知らしめた。駅名称すら決定できない会社は、新幹線という日本最大のブランドを運営する能力があるかどうか、疑わしい。

 この過程において出現した組織は、函館市と北斗市という市町村、北海道という都道府県、そしてJR北海道の4者であった。北海道新幹線は名目上、JR北海道によって経営される。しかし、それは実質上、東北新幹線の延長にすぎない。北海道新幹線は、JR東日本によって経営される東北新幹線に直接乗り入れることを前提にしている。新函館北斗駅発の列車は、新青森を経由して、仙台、大宮、そして東京に乗り入れる。また、東京駅を発車する列車は、現在の終着駅、新函館北斗駅を目指す。終着駅名を表示する業務をJR東日本が担う。

 しかも、JR東日本は、JR北海道に対して、副社長(鉄道事業本部長)、工務部長を派遣している。経営部門と安全部門に対して影響力を持っている。とりわけ、鉄道事業本部長は、鉄道部門の総括責任者である。政党組織に例を求めれば、社長が総裁であり、副社長は幹事長である。幹事長を他者から派遣されると、その政党は実質的に他の政党の系列化に入ったことと同義であろう。実質的にJR北海道はJR東日本の影響下にある。

 この駅名をめぐる政治過程において、JR東日本の意見が聴取されることはなかった。少なくとも、表舞台には出てこなかった。JR東日本の意見が、この過程において現象しなかったことが、この混乱を引き起こした最大の隠された原因の一つだったかもしれない。

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