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北朝鮮における張成沢と金正恩の権力闘争ーー業田良家『独裁君』によるその予言

20131214 北朝鮮における張成沢と金正恩の権力闘争ーー業田良家『独裁君』によるその予言

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業田良家『独裁君』小学館、2008年、196197

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産経新聞』によれば、20131212日に張成沢が「国家転覆陰謀行為」で死刑判決を受け、即日処刑された。

「張成沢氏を処刑」『MSN産経ニュース』20131213

http://sankei.jp.msn.com/world/news/131213/kor13121307090000-n1.htm

彼は、金日成、金正日そして金正恩という三代の独裁的権力者において、実務上の責任者として実力をふるってきた。金日成の子供、金慶喜の配偶者として、金一族とは縁戚関係にあった。

これは、北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国における政治闘争の一環である。金正恩と張成沢の間に、政治的な意見の相違があったことは明白であろう。但し、その結果が粛清という形式をとり、一方による他方に対する殺戮という形式をとっている。この国家ならではのことであろう。

このような状況は張成沢も認識していたはずである。まさに、彼は金日成、金正日時代においてこのような権力闘争、つまり粛清の一翼を担っていた。逆の場合も想定されていた。つまり、張成沢が金正恩を粛清することも。この想定を業田良家は漫画という形式において表現していた。もちろん、執筆時期は、金正日がまだ生きていた時代であるので、若干の差異があるが、本質は同じである。

両者においてどのような権力闘争があったか、正確には未だ明らかではない。しかし、中国流の改革開放路線の意味づけとその具体化方法に関する権力闘争があったことは明白であろう。この権力闘争において金正恩が張成沢に勝利した。業田良家は、権力闘争の本質を明確にした。現実政治において金正恩は、闘争相手を粛清という初期20世紀的方法で抹殺した。権力闘争の意味が、より明確になった。スターリン的な政治手法が21世紀アジアにおいて残存していることを、金正恩は民主主義的国家における国民に教示した。最も不幸な国民は北朝鮮の国民であろう。しかし、そのような不幸を我々日本人も、これほど残忍な形式ではないにしろ、将来的に共有しなければならないのかもしれない。少なくとも「秘密保護法」はその法的根拠を我々日本人に与えた。

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