ベルリン旅行者(二の一)ーー安い4つ星ホテル?
20140309 数年前のブログ記事を編集上の観点から本年に移行する。
20070909ベルリンのホテルーー安い4つ星ホテル?ーー事柄の不可視性
航空運賃価格は正規料金の場合、異常に高い。ベルリンー東京往復で60万円近くするはずである。しかし、多くの旅行者は高い時期でも20万円以下で、閑散期であれば10万円以下でエコノミークラス座席を確保できる。10万円であれば、正規料金のほぼ六分の一である。このような価格落差は、通常の商品であれば、ありえない。たとえば、日産の同一車種の新車自家用車の販売価格が、隣の店では、半額以下であるとは、誰も考えていない。せいぜい、数万円の値引きしか期待できない。
この航空運賃と同様なことが、海外ホテルの宿泊料にも当てはまる。直接購入すれば、3万円以上の料金のホテルの部屋が、代理店経由であれば、1万円位で入手可能である。インターネット取引による数パーセントの違いなど、ここでは問題にならない。直接取引では、かえって高くついてしまう。代理店経由であれば、かなり安価に購入可能である。おそらく、一括してホテルの数室を押さえているのであろう。航空機の座席販売と同じ論理が貫徹されている。大口顧客に対しては、安く売るからである。
本当の値段という概念がここでは、ほぼ崩壊している。適正価格という考えも同様である。すべては、市場の論理が貫徹しているだけである。問題は、この論理と日常論理がかなり乖離していることである。そして、多くの素人にとって、市場論理とは疎遠なままである。ただ、この論理によって、多くの日本人が欧州を安価な価格で旅行できる。しかし、この論理を多くの人は知ることがないというのも事実である。
逆も真なり、もありうることは、肝に銘じていなければならない。
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