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「自民圧勝 ねじれ解消」という新聞各社の一面の見出し(その三 日常用語としての「ねじれ」)

 

「自民圧勝 ねじれ解消」という新聞各社の一面の見出し(その三 日常用語としての「ねじれ」)

 

――話し言葉を書き言葉に挿入すること

ここで、選挙結果という政治的な重要事項に対して、「ねじれ」という日常用語が使用されることの是非について、考えるべきであろう。通常の場合、政治的事柄を表現する場合、日常用語の使用は控えられている。にもかかわらず、マス・メディアは「ねじれ」という日常用語を使用してきた。文語中心の書き言葉に、日常用語としての話し言葉を導入した効果は大きい。数多くの争点のなかで、その用語が異彩を放った。「TPP参加」、「憲法改正」、「原発の再稼働」、「東京電力福島第一原子力発電所の廃炉問題」等の論点は、必ずしも日常会話にはなじまない。「衆参両院のねじれ」転じて「ねじれ」であれば、日常会話においても違和感はない。たとえば、会社組織においても、本店と支店との意見の相違は、両者における「ねじれ」として表現される。それが国民の深層心理に浸透した。少なくとも、本来の争点が漢字、あるいは英語として表現されていることと対照的であろう。

また、「ねじれ」という用語は、日常会話において否定的に使用される。この用語の後には、「解消」という単語しか続かない。それには、暗黙のうちに述語が含まれている。日常会話において「ねじれ」に対して「素晴らしい」という用語が続くことはまれであろう。この用語の取捨選択において、まさに本日の選挙結果が想定されていたのであろう。もちろん、この選挙結果を自由民主党は願望していた。政党がより多くの得票を獲得しようとすることは、必然である。しかし、マス・メディアがこの用語を使用したことによって、自民党の願望を追随したことになった。自民党の広報戦略の勝利であろう。政財官のトライアングル(三角形)ではなく、政財官とマス・メディアのスクエアー(四角形)あるいはランバス(菱形)が形成されていたと推定できる。

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