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大間原発建設に関する地方自治体による反対運動

20121017 大間原発建設に関する地方自治体による反対運動

                    

 

 大間原発が青森県大間町に建設中である。20113月における東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故を受けて、一旦その建設が中断されたが、政府によって建設が再開されている。その対岸に位置する函館市において反対運動が展開されている。さらに、住民運動だけではなく、工藤寿樹函館市長率いる函館市が「大間原発無期凍結」に関する請願書を提出している。

ここでは、住民による反対運動ではなく、地方自治体による反対運動について述べてみよう。地方自治において、団体自治がより大きな問題である。ちなみに、北海道庁はこの反対運動には加担していない。あくまでも、函館市を中心にした市町村における反対運動として提起されている。北海道庁は、消極的ながら大間原発の建設対して賛意を表している、とみなしうる。函館市は、この反対運動に対して賛意を北海道庁に求めたはずである。推測ではあるが、この提案は拒否された、とみなしてよいであろう。この請願書の政治的影響力は、工藤函館市長と高橋北海道知事の連名で提出したほうがより強大であったはずである。にもかかわらず、このような政治的動向は現実化していない。

大間町に新型原発が建設されることが、世間に知れたのは、1976年である。[1] 大間町商工会が誘致決議をしたことが発端である。しかし、それまでに、政府とりわけ経済産業省の前身である通産省内では、このMOX燃料を主とする新型原発の建設地に関して、議論があったはずである。この過程を踏まえて、大間町が誘致決議をしたはずである。

なぜ、青森県に建設するのか。送電効率から考えれば、電力消費地に近接する千葉県、茨城県に建設することが、より効率的である。この新型原発が従来の形式の原発より安全であれば、東京都あるいは千葉県に建設することが適当である。この議論は、小学生でもわかるはずだ。

また、青森県に建設が決定されても、なお疑問が残る。なぜ、従来型の原発が多く建設されている東通村ではないのか。少なくとも、同地域であれば、環境アセスメント等は、従来とおりでよかったはずである。なぜ、本州では最北端に位置する大間町が建設予定地として適当であるのか。大間町が函館市から30キロ圏内にあることは自明である。このようなことは、まさに想定済の事柄である。この議論もまた小学生でもわかる。

問題は位置決定過程において、函館市がどのような政策態度を取り、そしてどのような政治的影響力を行使したかである。1960年代後半から1970年代初頭にかけて、どのような政治過程が展開されたかである。函館市は、まさか誘致運動を展開したことはあるまい。しかし、反対するための政治的影響力が、どのように行使されたかが問われている。これから検証すべき課題である。

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