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官庁等への提言書の意義づけ及びその書き方(その一)

官庁等への提言書の意義づけ及びその書き方(その一)

                        2012523日   田村伊知朗

 

1. 市民あるいは国民の義務としての提言書

 近代市民は、ある共同体たとえば国民国家、地方自治体等に属している。あるいは機能集団として学校、大学、企業等に属している。その構成員として当該共同体あるいは機能集団の利益のために、ある提言をすることができる。あるいはしなければならない。共同体の利益は、その個人の利益にもなるからだ。共同体あるいは集団はつねになんらかの問題を抱えている。問題のない集団は想定できない。これらの問題を口頭で担当者に伝達するのでなく、文書によって明示することが重要である。とりわけ、行政機関は文書主義を徹底している。すべての公文書は最低でも5年間は保存することが義務付けられている。

また、ある提言をする動機は、その提言に関する事柄に対して興味関心を有していることにある。その関心を文章化することによって、自分の関心を明白にすることにもつながる。自分にとって何が問題になっているかを対象化できる。

 

2. 次に提言書が完成したと仮定してみよう。それを郵送することも可能である。しかし、たとえ個人の提言書であれ、地方自治体首長あるいは内閣総理大臣ですら直接手渡すこともできる。そのことによって、提言書はより実効性を確保できる。もちろん、そのためには「根回し」が必要になる。当該提言に直接的に関係する部署の課長あるいは係長が、その文書を事前に閲覧することも必要である。

 新聞記事あるいはテレビ放送等で、ある提言を首長等に手渡す写真あるいは放送を見聞することがある。その場合、首長等を取り囲む部下、あるいは首長自身もその提言を事前に知っている。そうでなければ、多忙な首長等に会見する時間を割愛していただけないからだ。それは儀式でしかない。しかし、儀式は重要である。儀式によって初めて、一般市民は提言の存在を認識できる。

 

3. 次に、具体的提言書の書き方を提示しよう。

 まず、表紙をつけることが大事である。官庁用語では、「鑑(かがみ)」と言うそうである。この鑑には、具体的提言を掲載することはない。その表紙に書くことは以下の順序になる。

(イ)相手方の名前

例えば**市長であれば、肩書を書いた後に、実名を書く。誰を相手方にするかという場合、提言内容の趣旨と同時に、その位階が問題になる。できれば、高位の位階がより実効性を有する。しかし、あまりに高い位階は、提言内容の程度と釣り合わない。日本国家の政治的位階制の頂点に位置するのは、内閣総理大臣である。しかし、その提言内容が特定地域にしかかかわらない場合、総理大臣を相手方に選択すれば、かえって恥をかくことになる。要は分を弁えることが重要であろう。

(ロ)提言書の題名

 題名は論文と同様である。主題名には、抽象的かつ哲学的内容が要求される。如何に、些少とも見える提言であれ、その背後には政治的あるいは経済的な大問題が横たわっている場合もある。副題名はできるかぎり、具体的でなければならない。行政が解決できない哲学的問題は、提言になじまないからだ。具体的であればあるほど、行政はその提言に対して善処可能である。

(ハ)日付

 官庁の世界では、平成等の元号を使用することが慣例になっている。元号は法制化されている。西暦は厳密に言えば、キリスト教歴である。イエス・キリスト生誕以後2012年目という宗教的暦である。しかし、西欧の標準が世界標準になって以後、西暦を使用することが一般化している。一般的社会において西暦使用が便利である。官庁に対する文書は、元号を使用することが強制されている。なお、日付には曜日は必要ない。

(二)提言者

 提言者の肩書を書いた後に改行して、実名を標記する。肩書は正確に記す。学生であれば、略称ではなく大学の正式名称を書く、たとえば、慶大ではなく、慶応義塾大学**学部2年生と書く。学部名も重要である。社会人であれば、**株式会社**支店**営業所等の部署名と、係長等の位階名を書く。もちろん、会社とは無関係であれば、**市住民でも問題ない。

(ホ)まとめ

(イ)、(ロ)、(ハ)、(二)の順序で1頁にまとめる。レイアウトも重要である。一番大きいフォントは、(ロ)の題名であり、次に大きいフォントは(イ)である。書体は各自好みに応じて、変更してもかまわない。基礎情報がこの順序で書かれていることが重要である。

 

2 頁以後は後日に公表する。

 

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