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東北、関東、上越そして北海道東部におけるセシウム137等の放射能汚染ーー30年以上継続する土壌と空気の汚染

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20120611 東北、関東、上越そして北海道東部におけるセシウム137等の放射能汚染ーー30年以上継続する土壌と空気の汚染

 

 本ブログ記事は、 „Ein Jahr nach Fukushima. In: Berliner Zeitung, Nr. 60. 10/11. März 2012, S. 5.  の記事によって触発されたものである。本記事は、この新聞が依拠するPNASの研究成果に基づいている。この日、ドイツの多くの新聞では同様な記事が見受けられた。日本の新聞よりも外国の新聞のほうが有益とは、情けないかぎりである。

 

PNAS(アメリカ合衆国国家科学アカデミー報告書)の記事(20111114日)によれば、日本列島の土壌のセシウム137による汚染度はかなり広範囲にわたっている。[1] 日本人研究者と思われる安成哲平ほかの共同研究の成果である。[2] この汚染地図によれば、セシウム137の土壌汚染は、福島県全域に及んでいることは当然である。しかし、それだけにとどまらない。セシウム13750ベクレル/1Kgの汚染だけに限定しても、岩手県南部から宮城県、福島県、茨城県、栃木県、千葉県という東北本線、常磐線を縦断し、群馬県、東京都、神奈川県西部にまで及んでいる。また、秋田県、山形県の一部の汚染も看過できない。その範囲は、20115月現在、EU(欧州共同体)の検査対象になっていた12都県(福島、群馬、茨城、栃木、宮城、山形、新潟、長野、山梨、埼玉、東京、千葉)とほぼ重なる。セシウム137による汚染は、ほぼ数十年継続する。

また、関東の汚染程度と同様な地域が、釧路、根室等のある北海道東部から北方領土にかけて広がっている。昨年春からドイツ気象庁等の放射性同位元素の拡散予測に親しんできた市民であれば、当然の結果として認識される。[3]

ほぼ無傷であると思われるのは、九州、関西、中部日本、そして北海道西部である。これらの地域の農産物は、ほぼ安全であろう。そして中国、四国地方もほぼ問題ないであろう。これらの地域の食品を摂取することが要請されている。

もちろん、このような言説は特定集団の研究成果であるかぎり、絶対的な真実とみなすことはできない。いくつかの錯誤があるかもしれない。北海道東部の汚染についても、その程度に関して、疑問符をつける研究者もいる。しかし、概説的に言って、正しいものであろう。そのすべてから逃れることはできないとしても、これらの地域の農産物、海産物等の摂取には慎重であるべきあろう。さらに、セシウム137以外の放射性同位元素たとえば、ストロンチウム90による土壌と空気汚染に関しては研究がない。素人である市民は、このような研究成果を科学的研究成果としてではなく、常識として受容する。幼児、少年だけではなく、これから誕生する新生児もまた共有しなければならない基礎知識である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


[2] Teppei J. Yasunari, Andreas Stohl, Ryugo S. Hayano, John F. Burkhart, Sabine Eckhardt, and Tetsuzo Yasunari

From the Cover: Cesium-137 deposition and contamination of Japanese soils due to the Fukushima nuclear accident

PNAS 2011 108 (49) 19530-19534; published ahead of print November 14, 2011, doi:10.1073/pnas.1112058108

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