北海道新幹線における駅名から考察される地方廃棄の思想
20120129 北海道新幹線における駅名から考察される地方廃棄の思想
札幌と大宮、東京を如何に早く結合するのかという思想は、新函館駅の建設位置だけではなく、北海道新幹線の建設駅の名称から容易に推定される。北海道において新青森駅から札幌駅まで(正確には、奥津軽駅以北)途中駅は6個建設される。しかし、沿線にある駅のうち、市部に建設されるのは新小樽駅、新八雲駅、新函館駅しかない。この三つの新駅は、旧市街地から遠く離れている。後の三つ、すなわち木古内駅、長万部駅、倶知安駅はすべて町村所在地に建設される。その背後に室蘭市、苫小牧市を擁する長万部駅を除いて、この二つの駅は市に至る人口を抱えていない駅でしかない。ほとんど新幹線が通過することが予想される。長野新幹線における安中榛名駅のように一日10往復以下の列車が停車する駅でしかない。日中では、一時間に一本ではなく、二時間に一本の割合で電車が停車する。山手線の時間間隔に慣れた東京都民にとって、これらの駅利用は赤字ローカル線の駅を利用するように思われる。北海道新幹線における途中所在都市である小樽、函館はほとんど考慮の対象になっていない。そして、このルートを辿るかぎり、町村以外の市は、北斗市、小樽市、八雲市しかない。ルートの設計段階から新幹線網によって北海道各都市を結合する思想は放棄されている。
北海道において、その中心都市、つまり札幌へと資源を集中させる。他の都市から資源を収奪、あるいは移行させることによって、行政効率を向上させようとする。この政策思想自体はこのブログ記事の範疇を超えている。
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