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金正日朝鮮労働党総書記の死亡状態――「総書記の死に対する2か月前からの準備」という本ブログの予想の正当性

20111221 金正日朝鮮労働党総書記の死亡状態――「総書記の死に対する2か月前からの準備」という本ブログの予想の正当性

 昨日、20111220日の本ブログにおいて、北朝鮮指導部において2か月以上前から、1219日の事態が予想されていたことを指摘した。まさに、それを裏付けるような記事が出ている。アメリカ合衆国等の衛星写真によって、死亡当日の死の状況説明が北朝鮮のプロパガンダにすぎないことが証明された。『産経新聞』によれば、「北朝鮮当局が指摘するように金総書記が列車内で死去したとすれば、平壌に停車中の同列車内で死去した可能性がある。北朝鮮の19日の発表では現地指導に向けて走る列車内で17日死去したことになっている。しかし衛星写真などから分析した結果、特別列車は15日から動いていなかったといい、北朝鮮の発表に疑問が生じている」。[1] 死亡状況に関する説明が、都合よく書き換えられている。

 また、彼の直接の死亡原因が心不全にあったとしても、糖尿病及びその合併症を患っていたことは数年前から指摘されていた。もし、この病歴が事実であるならば、その死は数か月前から予想されていたはずである。また、この国の医療水準が低いとしても、最高指導者に対する医療は格段に手厚いことは想像に難くない。

 現代の医療水準からすれば、数か月の延命治療はそれほど困難ではない。その準備の一環として、朝鮮中央テレビの女性アナウンサーは50日前からのテレビ出演から外れていたはずである。そして、1219日を迎える。彼女は万全の準備をして、この国における最重要事項をテレビという媒体において説明した。その映像は非の打ちどころのないものであった。

 しかし、ここで問題にしたいのは、朝鮮民主主義人民共和国における新聞記事のプロパガンダ性ではない。本邦におけるマスメディアが朝鮮中央通信の発表に何ら疑義を呈していないことである。まさに、本邦の著名な新聞各社が朝鮮民主主義人民共和国の大本営発表をそのまま垂れ流していることである。その意味において、朝鮮中央通信と日本の新聞各社は五十歩百歩である。目糞は鼻糞を笑えるのであろうか。

 

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討論会

 討論会に関する記事は、2月1日以降公開されます。なお、本コメント欄にはコメントは受け付けられません。

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公開された情報から読む朝鮮民主主義人民共和国の政治情勢ーー金正日将軍の死と女性アナウンサー

20111220 公開された情報から読む朝鮮民主主義人民共和国の政治情勢

――喪服で現れた有名アナウンサーから考察される金正日将軍の死をめぐる考察

北朝鮮において報道担当者はある役割を担っている。とりわけ、この国の最高指導者、金正日将軍の動静を伝える記者は、リ・チュンヒである。この女性アナウンサーが1019日の報道を最後に朝鮮中央テレビから姿を消した。ZAKZAKによれば、「北朝鮮の国営朝鮮中央テレビで金正日総書記の動静など重要報道を担当する女性アナウンサー、リ・チュンヒ(68)1019日の放送を最後に50日以上、同テレビに出演していないことが分かった。ラヂオプレス(RP)12日までに伝えた」。[1] 彼女の動静に関して様々な噂があったことは想像に難くない。2ヵ月近く金正日朝鮮労働党総書記に関するニュースを彼女が流さないことは、異例であるからだ。

しかし、この事実は不可解なことがある。北朝鮮の国営メディア、朝鮮中央テレビを毎日閲覧している人がいることである。北朝鮮の国営放送を毎日閲覧し、その異常を認識し、かつその事実を報道機関に伝達できる人間がいることである。そして、この事実を1212日前後に日本の報道機関に流した人間が存在する。少なくとも、報道機関と何らかの接触がある人間が存在する。

このような人間は外務省、あるいはそれと密接な関連を持つ機関に所属している可能性は否定できない。国家の上層部は何らかの情報を掴んでいた。そうでなければ、11月上旬でもこのような異常事態は把握可能であった。それを報道機関に流すことも可能であった。しかし、現実にネット社会にこの事実が報道されたのは、1212日であった。

そして、1219日を迎える。共同通信によれば、「『偉大なる領導者(指導者)金正日同志が17日に逝去した』。北朝鮮の朝鮮中央テレビが19日に報じた金正日総書記の死去。喪服のような黒い色の衣装で訃報を伝えた女性アナウンサーは声を震わせた」。[2] 彼女は劇的に再登場し、この国における最重要情報を伝達した。彼女の再登場は、日本以上にこの国において強い印象を残した。

この再登場は何を意味するのであろうか。少なくとも、劇的効果は想定されたものである。そして、現在日本の新聞報道でなされている「現地指導」に向かう列車のなかでの死という言説もまた朝鮮中央通信社による報道を鵜呑みにしたものでしかない。少なくとも、この日が来ることを想定した女性アナウンサーの動静を根拠とするかぎり、かなり疑わしいものである。本邦のマスメディアは、大本営発表という悪しき伝統を継承している。

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