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放射能との共生

20110710 放射能との共生

 共生という概念は、1950年代北欧において発達した概念である。それは、健常者と障害者とりわけ知的障害者との共生を意味していた。この概念に基づいた福祉政策は、それまでの両者の隔離から通常の町における共存を目的にしていた。それまで、障害者、とりわけ知的障害者は、町から離れた地域の福祉施設に入所することが正義であった。しかし、1950年、60年代以降、障害者が通常の家庭生活のなで、健常者と一緒に生活することが、少なくとも、北欧、そして欧州において普遍化していった。それが障害者にとって不幸であったか、幸福であったかは議論のあるところである。

さらに、後期近代においてこの概念は知的障害者だけではなく、高度福祉国家における福祉の受益者一般として使用されることになる。在宅福祉という思想が一般した。現在では、男女の共生という概念にまで拡大され、その社会福祉としての意義はほとんど喪失している。

しかし、東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故以来、この概念は社会福祉という概念から、そして男女の共生という一般的概念から異なる意味で使用されねばならない。放射性物質との共生である。日本列島に居住するかぎり、放射能から完全に免れた生活をおくることは、不可能である。可能なかぎり、放射性物質を摂取しないということを意識することができるだけである。欧州共同体が検査済証明書を要求する福島県、茨城県等の生産物を何らかの形で摂取しないことは不可能である。

セシウム137、ストロンチウム90等の半減期は、我々の生命的限度を超えている。それらと共生することを強制されている。男女の共生であれば、誰も否定しないことど同様に、放射性物質との共生も日本列島では誰も否定できない。

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