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放射能汚染水の摂取回避への提言――浄水場から家庭への配水時間の周知化

20110530 放射能汚染水の摂取回避への提言――浄水場から家庭への配水時間の周知化

現在、東京電力福島第一原子力発電所事故から放出された放射性物質は、3月下旬と比較すれば、小康状態を保っている。少なくとも、半径300キロメートル外においては、即時退避の必要性は減少している。現在の課題の一つは、内部被曝の回避条件を改善することである。その一つが、水道水の水質検査である。以下の提言は、そのためのものである。

水質検査が実施されるべき浄水場から、市内各所への配水は時間的にかなり異なっている。たとえば浄水場から旧市街には、配水場を経て配水されている場合も多い。浄水場から市内各町への配水時間が公開されるべきである。この情報提供によって、市民は安心して上水道から取水できるであろう。

また、ダムからの取水時間と配水時間も重要である。放射能汚染された時から、どれだけの時間経過後に現実に配水されるのかが周知されれば、その対策をとることも可能になる。重要なことは、検査する場所の明確化と、そこから現実の家庭蛇口への配水時間である。すでに、市役所は排水管、パイプライン等に関する情報を把握しているはずである。この作業は容易であろう。

さらに、平日と休日では配水時間に差異がある。平日には、官庁、事務所、工場等が稼働しており、休日には稼働していない。配水時間に著しい差異が認められる。しかし、平均的平日と平均的休日における配水時間をモデル化することも可能であろう。

もちろん、この政策実施のためには、予算措置が必要とされている。たんなる機械装置と備品だけではなく、それを操作する人的資源が獲得されねばならない。しかし、この政策によって、市民の健康保持がよりよくなることが予想されている。

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非県庁所在地の10万、20万都市でも水道水放射能汚染検査の実施を!

20110521

(以下の文書は、ある都市の市長に対して政策提言の一つとして、執筆されたものである。都市の特定を避けるために文書が変更されているが、論旨は同一である。多くの都市でこの文書が参考にされ、同一の請願がなされることを希望している)。

非県庁所在都市の上水道に関する放射能汚染測定と配水時間の公開に関する提言

[1.非県庁所在都市の上水道に関する放射能汚染測定]

現在、非県庁所在都市の上水道の放射能汚染に関する水質検査は、月一回実施されている。しかし、東京電力福島第一原子力発電所の事故による大気中への放射性物質の拡散は、今後予断を許さない状況にいたる可能性も持っている。

水道水の放射能汚染に関して、月一回ではなく、一日一回の検査が必要であろう。月一回の検査であれば、放射能汚染水を摂取する可能性が高くなる。汚染を知ったのが一週間後であれば、その検査報告は意味をなさない。風評被害が拡大することは必至である。現在、水道水に関する調査は、都道府県庁所在地の研究機関によって毎日実施されている。しかし、非県庁所在都市の水道水は県庁所在地の水系とは別の水系から取水されている場合もある。

非県庁所在都市の上水道が放射能汚染から免れていることを日々の検査によって実証することは、経済的効果の観点からも重要であろう。さらに、その結果を即日公開可能であれば、その効果は高いであろう。

[2.配水時間の公開]

検査が実施される浄水場から、市内各所への配水は時間的にかなり異なっている。浄水場から市内各町毎への配水時間が公開されるべきである。この情報提供によって、市民は安心して上水道から取水できるであろう。


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コメントの公開日時

 東京電力福島第一原子力発電所爆発事故に関するコメントは、本日5月11日をもって締め切ります。なお、本案件以外のコメントを含むすべてのコメントはすべて公開されています。ありがとうございます。理性的議論の礎になるよう期待しています。今後、ブログ作成の際、参考にさせていただきます。

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20ミリシーベルトの合理的根拠――役人的合理性と非合法性

2011050820ミリシーベルトの合理的根拠――役人的合理性と非合法性」

『朝日新聞』(2011420日)によれば、「福島第一原発事故を受けて、文部科学省は19日、福島県内の小中学校や幼稚園などの暫定的な利用基準を公表した。校舎や校庭を利用できるか判断する目安として、年間被曝(ひばく)量が20ミリシーベルトを超えないようにし、校庭の放射線量が毎時3.8マイクロシーベルト以上では屋外活動を制限することとした」。[1] 一般市民の外部被曝の上限を年間20ミリシーベルトにした。この数字自体は、国際放射線防護委員会(ICRP)の基準に基づくとされる。しかし、この国際基準では「1-20ミリシーベルト」の間でしかなく、20という数字自身の根拠にはならない。また、食品、水等の摂取による内部被曝、呼吸による内部被曝は考慮されておらず、明らかに問題が多いであろう。その点に関しては多くのジャーナリズム等で批判的に考察されており、ここではそれに触れるだけにとどめておこう。

本ブログで問題にするのは、20という数字である。国際放射線防護委員会(ICRP)の国際的暫定基準「1-20ミリシーベルト」のうちでなぜ、20ミリシーベルト/年が選択されたのかという問題に触れてみよう。それは、役人にとって合理的根拠があるからだ。

従来の基準では、一般市民の年間被曝量は、1ミリシーベルト/年であった。この基準自体は、法的根拠がある。一般市民の基準値は、合法的根拠を持っている。暫定基準値は、特殊な人間つまり放射線管理区域において労働する人間の基準値すら超えている。管理区域、たとえばレントゲン検査室における年間被曝基準は5ミリシーベルトである。管理区域で労働する時間は限定されている。管理区域内で食事をすること、就寝すること等は禁止されている。況や、この区域で子育てをすることはありえない。それさえも超えている。

このような超法規的措置、すなわち非合法的措置を政府、文部科学省が法的改正手続を経ずに、決定したことは問題がある。この決定過程において、原子力安全委員会はどのような議論をしたのか。また、法を逸脱する決定がなぜ、政府によってなされたのか。それは政治学の問題である。

さらに、役人はなぜ、このような法治国家の限界を超えた措置を講ずることになったのか。なぜ、20倍もの被曝基準を設定できるか。おそらく、それは317日に実施された食物摂取基準の変更と関連している。厚生労働省医薬食品局食品安全部長通知(平成23317日付、食安発03173号)が問題になる。317日以前では、水、牛乳等におけるセシウム137の基準値は10ベクレル/1Kgであった。[2] しかし、現在では、200ベクレル/1Kg20倍に跳ね上がっている。317日以前の基準では、一般市民の年間被曝量は、1ミリシーベルトであった。それに基づいて、セシウム137の摂取基準が設定されていた。317日以降はその基準が20倍になった。基準値を上げなければ、多くの商品の販売が不可能になるからであろう。それとの整合性を考慮したはずである。あるいは、政府は317日に、これまでの基準をすべて20倍にするという決定を下していたのかもしれない。ここで20倍という数字は、多くの通達、少なくとも厚生労働省部長通知との整合性を持っている。

しかし、このような決定が現在の法体系と矛盾することになぜ、役人は気づかないであろうか。年間被曝量20ミリシーベルトという設定は、他の諸通達との整合性を持つ。しかし、合法性という法治国家の原則から逸脱している。

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セシウム137入りの牛肉の摂取の可能性――福島県の計画的避難区域、避難区域の牛、北海道へ

20110504 セシウム137入りの牛肉の摂取の可能性――福島県の計画的避難区域、避難区域の牛、北海道へ

『北海道新聞』等によれば、福島県の東京電力福島第一原子力発電所の爆発事故によって、計画的避難区域、避難区域に指定されていた地域において飼われていた牛を北海道に移住させる計画があるという。[1] 『苫小牧民報』によれば、すでに何頭かは北海道日高地方に移送されている。[2]

新聞によれば、基準値を超えた牛に関しては、除染するという。しかし、これらの牛の問題点は、外部被曝ではない。これらの牛は、高度に放射能によって汚染された牧草を食み、高度に放射能に汚染された水を飲んでいる。内部にすでに、セシウム137が蓄積されていることはほぼ間違いない。プルトニウム239等はどのように調査されているのであろうか。内部被曝こそが問題である。これらの牛は、飯館牛、福島牛としてではなく、北海道産の牛として食肉市場に出回るであろう。もちろん、暫定的基準以下の安心な牛肉として。しかし、この事実は、安全な北海道の野菜、肉という評判を覆すことになるかもしれない。福島の汚染された空気を吸収し、その水をたっぷり飲んだ牛肉を北海道の人だけではなく、全国の人が食べる可能性がある。

現在のところ、北海道の食品は安全であるという評判がある。この評判をあえて、覆す必要があるのか。すでに新聞等で報道されている以上、この評判が所謂風評に転化するのは、時間の問題であろう。


[1] 「原発避難牛、農水省受け入れ要請『道内が有力候補』」(『北海道新聞』20011422

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/agriculture/287735.html

「原発避難牛受け入れ『門戸は開いている』JA道中央会長、風評に懸念も」『北海道新聞』

2011428

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/agriculture/289077.html

[2] 「三石のパシフィック牧場に福島牛16頭到着、飼育困難農家から購入引き受け」『苫小牧民報』201152

http://www.tomamin.co.jp/2011s/s11050203.html

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