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鳩山総理の辞任と政策の放棄

 鳩山総理と小沢幹事長ーー役職名は数日前のものを使用するーーが辞任した。鳩山総理の辞任会見を読むかぎり、沖縄の米軍基地問題と政治資金問題が辞任の鍵になったようである。鳩山総理は、政権交代以前から、「駐留なき日米安保」を主張し、基地撤去に積極的であったことは疑い得ない。しかし、この主張は、これまでの米軍基地設置による利益構造、つまり1945年の敗戦以来65年間継続してきた占領軍の意向を無視するものであった。60年以上の米占領軍は、本州にいるかぎりほとんど国民の意識から除外されている。

 しかし、半世紀以上、日本の政治を規定してきた要素は、アメリカ政府だけではなく、日本国内においてそれを支持し、それに依存する勢力である。その重要な要素の一つが、高級官僚群である。この二人の政治家は、この要素を破壊しようとした。あるいは、修正しようとしたことは事実である。しかし、彼らは、政治資金規正法違反という国策捜査によって敗北した。少なくとも、鳩山総理は、政権交代以前の自ら理想、「友愛」を破壊した。

 小沢幹事長の場合は、このような捜査において不起訴処分を受けたにも関わらず、政治資金の不透明性を指摘され続けている。朝日新聞等によれば、旧来の自民党的な「古い政治」の象徴とされ、辞任以後も攻撃対象にされている。しかし、彼は米軍基地撤去という政策を放棄したわけでない。微妙である。

 鳩山総理は、みずからの政策を否定し、旧勢力と妥協し、まさに旧来型の政治に逆戻りした。普天間基地の辺野古移転というアメリカ政府と自民党との約束を旧来とおり踏襲するという敗北を認めた。 

 この選択はなぜであろうか。彼も小沢幹事長と同様に政治資金規正法違反を問題にした。しかし、彼の場合、この問題は大きくならず、沈静化した。そこで、何かの政治的行為があったずである。

 惜しむらくは、彼がその理念を実現しようとしなかったことである。いみじくも、中曽根元総理が「今の政治家ーー鳩山総理を指すーーが凶弾に倒れることを恐れている」と言ったようである。凶弾とは物理的な暴力だけではない。政治的脅迫ーー政治資金規正法違反もまたその類である。

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