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貧乏人は煙草を吸うなーーー煙草増税推進者の馬鹿

 現在、煙草に対する課税強化が叫ばれている。もちろん、自民党の良識派がそれを阻止したが、民主党政権ではその良識も怪しくなりそうである。かつて池田首相は、貧乏人は米を食うな、麦を食べろと言ったそうである。その時の良識あるマス・メディアは、池田首相を弾劾したはずである。しかし、今日のマス・メディアは煙草増税に対して概ね好意的である。この数十年間にマス・メディアが変質したことは、ここにも現われている。

 もし、煙草が500円であろうと、1,000円であろうと、年収2、000万円を超えている富裕層には、問題は全くない。現在議論されている、定額給付金を受領しない「矜持」を保持できる階層である。彼らは、1日、1箱吸うとして、1日1、000円、月に均すと30、000円程の問題は、ほとんど意に介さない。煙草が1日、1、000円で困るのは、年収200万円以下の階層である。彼らにとって、そもそも1日の昼食代を含めた小遣いが1、000円程度、あるいはそれ以下であろうと推定される。彼にとって、煙草1日、1、000円というのは、煙草を吸うなというに等しい。日当80,000円の人間は、日当8,000円弱の人間の営みにはほとんど関心がないかのようである。

 しかも、煙草増税議論の政策過程には、年収200万円の人間はそもそも参加できない。審議会委員の年収は、少なく見積もっても、2、000万円以上の人間が多数を占めるはずである。大病院の管理職等の有識者、マス・メディアの論説委員、政治家、厚生労働省の局長級の委員たちの平均年収は、軽く2、000万を超えている。彼らは、現場の派遣労働者が休憩時間に煙草を吸うことすら、金銭面から禁止しようとする。派遣労働者にとって、一日、1、000円の煙草代は決して安くないはずである。労働者のわずかな楽しみすら略奪することに躊躇ない政治家が多い。彼れらは、口では派遣労働者が「可哀そう」と言っているが、その実態にはほとんど関心はないのであろう。

 煙草増税を拒否した自民党の良識ある政治家がまだ存在することにおいて、日本国家の健全性をすこし評価したい。

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