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禁煙と一元化思想ーーJR東海の賢明とJR東日本の馬鹿

 旧国鉄が分割民営化されて20年の歳月が流れた。この民営化の是非については国労問題等を除けば、ほぼ社会的に承認されている。もはや国鉄復活という議論は少なくとも論壇に現れることはないであろう。建前的には、分割民営化によって競争原理が働き、サービスが向上したからである。この競争原理が働くという意味は、主として二つの異なる意味がある。それはJR各社間の競争と、JRと競合する他の交通手段との競争である。ここでは、新幹線に限定してその意味を考えてみよう。

 JR東海は主として東京と大阪を結ぶ路線が主要収益源である。関西の空港が、ほぼ和歌山県に近い関空のみであれば、東京―大阪間の交通をほぼ独占できたかもしれないが、この路線は大阪都心に隣接しているから伊丹空港が残存しているため、常に飛行機と競争しなければならない。

 それに対して、東京と仙台間の交通はJR東日本がほぼ独占可能である。この路線では競争原理がほとんど機能していない。

 競争がほとんどない路線では、どのような独善的サービスを提供しようとも営業収益に影響しない。禁煙という問題からその意味を考えてみよう。両者はともに禁煙を標榜している。しかし、JR東海は禁煙を標榜しながら、喫煙車両を残存させている。3号車と15号車が喫煙自由な車両である。また、のぞみ号には喫煙空間がある。禁煙といいつつも分煙である。そして、3号車がほぼ満席に近い状態であることと対照的に、2号車は空席が半ば以上を占めていた(日中のこだま号)。

 それに対して、JR東日本はすべての車両が禁煙であり、喫煙可能な車両はない。独善的かつ一元的な禁煙である。このような馬鹿げた思想を実践しても、営利企業であるかぎり問題はない。しかし、この企業は移動の自由を保障する公益企業という性格を持っている。公益、つまり喫煙者の自由にも若干の配慮を必要とするはずである。しかし、競争原理が働かない場合には、独善的にふるまっても営利性を侵害することはない。その例がJR東日本の全車禁煙である。少しは喫煙者の自由も考慮すべきであろう。

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