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社会国家と国民の媒介ーー協会

 

社会国家の間接性と直接性

社会国家の国民に対する作用形式は、以下の二つに大別される。両者の関係が直接的であるか、間接的であるかである。直接的である関係は明瞭である。何からの困窮状態にある国民が直接的に社会国家から援助を受ける。それに対して、間接的関係は多様である。ここでは、カール・ナウヴェルクの議論を紹介しよう。「ナウヴェルクは労働者個々人の最低限度の生活を直接的に保障しようとしたのではなく、近代における自由競争原理と、結果としての不平等の必然性について洞察していた。したがって、国家および地方自治体が直接的に個人の生計それ自体を援助すべきであると考えられていたのではない。労働者の自立的組織がその媒介項として設定されていた。つまり、「国家が失業者、つまり非自発的失業者を救済する義務を可能なかぎり負う場合・・・国家はまず何をすべきであろうか。国家は個々の非自発的失業者に対して一片の仕事を与えるのではない。むしろ、国家は全労働者の大きな自立的組織の保護者および推進者とみなされることによって、すなわち労働者相互保障の金庫の設立を促進することによって、その労働者全体の自立的組織つまり連帯組織全体に対して配慮を与える」。国家が国民の最低限度の生活を保障する手段は、労働者個人に対する救済ではなく、むしろ労働者によって自主的に結成された自立的組織という媒介を前提にしている」。(本書134頁)

その援助は直接的ではなく、労働者が形成した自律的組織を媒介にしている。国民自身が形成した自助組織が主導的役割を果たす。個別的な国民に対するものではなく、集合的国民に対する援助が中心になっている。さらに、援助が受動的なものではなく、積極的になる。国民自身がその媒介組織を形成している。


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