清掃と強制収容所ーー極限状況における人間
ナチズムにおける強制収容所は多くの政治犯、ユダヤ系ドイツ人、ジプシー等を強制的に一箇所に集中管理したことで有名である。そこでは、かなり大きな部屋に蚕棚のようなベッドが並んでいた。この強制収容所としてアウシュビッツが有名であるが、それ以外にも小さな収容所はドイツ各地に残存している。もちろん、歴史的意味において保存されている。
この収容所において掲げられた標語として興味を引く言葉があった。それは、清掃を意味するSaubermachen(綺麗にする)という単語である。どのような状況であれ、多くの人間が生活をしていれば、埃は出てくる。一つの空間において多くの人間が生活していれば、当然であろう。ほとんど絶望的状況であろうとも、清掃は必要である。彼らもまた、死を目前にしながら、清掃をしていた。
翻って現在、大晦日である。多くの日本人は大掃除をしているか、終えているであろう。現在の日本人は60数年前のドイツ人と同様に清掃をしている。新年という希望を持ちながら。60数年前のドイツ人はどのような希望を持って強制収容所において新年のための清掃労働を為したのであろうか。
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