教育基本法改正ーー馬鹿が一元的思考でやって来る
教育基本法が過日、参議院本会議で可決された。もちろん、国会議員という政治的貴族における多数意見がこの改正に賛成したからである。もちろん、この貴族はかっては一代かぎりの殿上人であったが、最近は世襲される傾向にある。今、マス・メディアに登場している国会議員、たとえば小泉純一郎元総理大臣(二代目)、鳩山由紀夫(四代目)、小沢一郎(二代目)、安倍晋三(三代目)等が有名である。
かつて政治的エリートと表現されていた政治的貴族だけではなく、国民一般においてもこの改正に賛意を表している者も多い。表層的に読めば、必ずしも悪いことばかりではないように思えるからだ。この法改正の理論的問題点に関しては、多くの教育学者が指摘しているのでここでは取上げない。ここで問題にしようとすることは、支配的社会意識、あるいは文部科学省の通達の支配力が学校現場で強制されることである。
たとえば、30数年前、いまだ中華人民共和国の威光が隆盛であった時代、多くの教員はこの国家の呼称として、中国、あるいは中共を採用していた。しかし、ある初老の美術教師はそれに反対して、支那と呼んでいた。おそらく、多くの教員からこの問題を指摘されたいたはずである。彼は中国と呼ぶ教師からも、中共という教師からも疎外されていたはずである。しかし、彼はやはり支那と呼ぶことをやめなかった。単なる戦争中の慣習から抜け出ない無知蒙昧の教師として。ここで、この初老美術教師の正義を再顕彰しようとすることを目的にしているのでもなければ、その誤りを再度指摘しようとするのでもない。30数年前の教育現場では、このような少数意見もまた、生徒の前で披露されていた事実である。
当時の児童が学んだことは、ある地域の呼称すら、政治的立場が異なれば、異なるということである。中国、中共、支那等のどれが正しいと主張しているのではない。その呼称すら、異なるという事実をその当時の少年が学んだことが重要である。しかし、今後、このような混沌の状態はより減少してゆくだろう。画一化された言語が大衆的多数意見として、そして文部科学省通達として徹底されてゆくことは間違いないであろう。
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