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福本伸行漫画と政治学ーー社会的役割の交換可能性

 福本伸行は労働者の生態を正確に描いている。そこでは、労働者は交換可能性の恐怖に曝されている。つまり、自分の労働は誰にでもできるのであり、年をとればとるほど、若年労働者との差異がなくなり、失業の恐怖に怯えている。近年、業績原理が社会的役割を決定するという議論があった。しかし、黒沢のような労働者にとって、業績をあげるということはほとんど不可能である。単純労働に従事しているかぎり、業績を上げる機会そのものがないのだ。そのような労働者が社会的に報われる機会が少ない社会とは、なにか。業績主義という幻影は、ほとんど高級労働者にしかあてはまらない。多くの労働者はこの原理から疎外されている。

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