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ニート論Ⅲ前編: 働かない人の増加

Ⅲの1

Ⅲ 後期近代における労働

また、老齢年金に代表されるような年金という制度が確立したことも、労働しない国民に対する社会的承認と関連している。もちろん、老齢年金は過去の労働の成果を積み立てたという側面もある。しかし、それは労働時間と時間当たりの労働賃金が直接反映されるわけでもない。労働に依存しない生活者という概念が社会的に承認される。もはや労働と生活は直線的に結合されるわけではない。

 また、後期近代において就学期間が延長される。たとえば、初期近代日本において、尋常小学校を卒業して労働に従事することは平均的な人生設計であった。旧制中学を卒業することは、少なくともエリートの入り口に立っていた。大正になっても、同世代のうち5%しか、大学を卒業することはなかった。この80年間で、労働を開始する平均的な時期は、10年以上も延長された。

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