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歌舞伎町浄化とその闇の拡散ーー一元的思想の問題点

http://www.asahi.com/national/update/0630/TKY200606300407.html

 朝日新聞の記事によれば、東京近郊の町田市に風俗店等に代表される都市の闇の部分が大量に流入している。その経営母体の多くが、新宿歌舞伎町から流入していると言う。当然であろう。歌舞伎町を浄化するということは、他の東京近郊にその闇の部分をばら撒くことを意味している。本ブログで強調してきた「一元的思想」が、東京歌舞伎町浄化において典型的にあてはまるからである。この浄化それ自体は誰もが反対しない。歌舞伎町が健全化されることは、それ自体として考えれば間違っていない。しかし、人間は光の部分と同時に闇の部分を持っている。都市は、常にこの両者を備えている。したがって、闇の部分をある場所から追放するということは、他の部分に拡散することを意味する。

 この事例は首都圏という大都会であれば、まだ町田市周辺という限定された地域への闇の拡散であり、まだ救いはある。しかし、同様なことを地方都市で実施すれば(多くの都市はすでに実施している)、その闇の部分は拡散し、住宅地域へと浸透しているはずである。地方都市であれば、国道等の高規格道路沿線にその闇の部分は拡散し、市民の通常の眼から逸らされるであろう。しかし、事態はより深刻になっているはずである。

 このような一元的思考、つまり近視眼的思考からそろそろ解放されるべきであろう。都市は闇の部分を抱えるということを、明確にすべきである。歌舞伎という存在形式が前近代において闇の象徴であり、その闇の部分を追放することによって、魑魅魍魎は歌舞伎町から一般の住宅街へと拡散してゆくであろう。もはや、手遅れかもしれない。

 

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