オウム麻原被告次男の入学拒否ーー公的生活と、私的生活の区別
リンク: @nifty:NEWS@nifty:オウム松本被告二男も入学拒否=合格後に連絡、埼玉の私立中(時事通信).
オウム真理教教祖、麻原彰晃被告の次男が、私立中学への入学を拒否された。この問題は、近代社会の大原則たる公的生活における自由の制限である。もちろん、公的生活の領域が国家公務員の受験、あるいは国立高校、国立大学であれば、このような問題は絶対生じない。しかし、この問題は、私立中学という曖昧な領域において生じたことが、問題を複雑にしている。
過日のブログで述べたように、私立中学は完全な私的領域ではない。たとえば、友人を選択するのは、どのような事情であれ、自己が選択できる。この案件においても、私立中学が家族形成のような完全な私的な領域に属していれば、私立中学の選択は正当化される。しかし、現代日本において、私立中学、つまり学校法人は公益法人として存立している。税金も公的な役割を担うことによって、優遇されている。もし、この中学がこのような差別をすのであれば、学校法人としてではなく、純粋の私的学校として存立すべきである。このような近代の原則すら理解できない学校は、何を教えるのであろうか。そのような社会の基本を理解できない教師が多くいる学校は、社会的にも問題が多いのであろう。
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