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努力しても報われないーー荒川静香

 荒川静香が金メダルを獲得した。このこと自体は、喜ばしいことである。しかし、今後一週間、あるいは本年度中、彼女の幼少期以来のビデオが放映されるにちがいない。彼女は幼少期以来、スケイトに命をかけ、練習に次ぐ、練習を重ねていたと。このような金メダリストであれば、当然のことを強調するマス・メディアには、疑問を感じざるをえない。金メダリストという概念のうちに、そもそも練習を重ねていたという事実は、含まれているのであるから。

 むしろ、彼女以上に努力を重ね、そして日本代表にすらなれなかった人間が多数をしめているはずである。むしろ、努力しても報われない人間の栄光と悲惨のほうに、共感を覚える。努力した人すべてが、金メダルを獲得するのではない。むしろ、努力したけれど、代表になれなかった人間が多いはずである。

 しかし、ここで努力が無駄であると、主張しているのではない。報われなくても、努力する人間が多数いることが、社会的に承認されるべきであると、主張しているにすぎない。その数が多いほど、その社会は健全であろう。

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