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地域破壊と鉄道

 かつて、70数年前、日中問の最大の懸案は、南満州鉄道の平行線を中国の支援を受けた米国が建設しようとしたことにあった。南満州鉄道は日本の生命線であり、この鉄道経営を圧迫することは、日本という国家そのものの存立基盤を危うくするものであった。満鉄平行線を建設しようとしたことが、ある意味で、満州事変、そして太平洋戦争の原因の一つであった。多くの日本人、そして中国人の血が流れた。

 現在、JR各社の在来線、あるいは新幹線に対抗して、線路を敷設しようとする資本家は国内においては存在しない。しかし、国家資本は、これまで平行線を鉄道ではなく、高規格道路、高速道路という形で建設したし、これからも建設しようとしている。それは、鉄道事業を衰退に導くであろう。

 そして、鉄道事業を衰退させ、自家用車による長距離移動を促進することは、環境保護、そして公共性の維持という観点から、問題がある。自動車による長距離移動は、二酸化炭素をより、排出し、石油という資源を浪費することにつながる。また、自家用車による移動を促進することによって、客車という限られた空間において多数の人間が共存するという体験そのものが破壊される。これ以上の在来線、新幹線の平行道路を建設することは、愚かなことであろう。況や、鉄道事業者が在来平行線の建設を行政機関にお願いするという愚行は、嘲笑の対象でしかない。

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