「珈琲時間」0 「闇の夜に鳴かぬ烏の声聞けば――中村天風試論」における「珈琲時間」
はじめに
「珈琲時間」は、議論の本筋から若干離れるが、示唆的な叙述を意味している。語学教材、例えばドイツ語の入門書において、ドイツ語文法とは無関係であるが、ドイツの学問事情、ドイツ人気質等が「珈琲時間」として記述されている。ドイツ語初級者は、ドイツ語文法の理解困難な本文よりも、「珈琲時間」を楽しみにしている。
しかし、中村天風試論における「珈琲時間」と中村天風試論が混在しており、通読が困難になっていた。「珈琲時間」における論稿が長くなりそれ自体としての価値を持っていると考えているからである。今後、両者を大幅に改訂し、かつそれを分離して『田村伊知朗 政治学研究室』に掲載する。
まず、「珈琲時間」を先に1記事毎に、それぞれ、独立させて掲載していく。その後、まとめて、中村天風試論をまとめる所存である。私的体験と密接に関連している「珈琲時間」を纏める過程で、中村天風試論がより正確になるであろう。